2013年4月18日木曜日

パレスチナ人権週、ヨーロッパ諸国で新たな局面が始まる。


ヘルシンキ ― 最も悪意ある反イスラエル活動がここ数年、「イスラエル・アパルトヘイト・ウィーク」と呼ばれ活発化している。この運動は何年も前からトロントで始まったものである。この活動が主張するのは、イスラエルは人種差別(アパルトヘイト)国家であるとし、ユダヤ人支持者、イスラエル友好者のために立入禁止区域を設けていると、大学の新世代たちに語り、影響を与えているのだ。先月、イスラエル公使がロンドンへ出向いた際、イギリスの大学で話す機会を得た時に、まさに出くわしたのである。

われわれ「イスラエルのためのヨーロッパ連合」は、再び大学キャンパスに戻る時が来たと思わされている。この「パレスチナ人権週間」は、今月、カナダの首都トロントで開始されたが、その内容とは、パレスチナ人がイスラエル政権下でいかに苦しめられているかを大学生たちに知らせるために行われたのだった。

しかし、カレブ・マイヤー(Calev Myers)は、「パレスチナ基本法が合法され、その国際的人権法が確立したとしても、パレスチナ政権下では、独断的投獄の人権違反、拷問、傷害が日常的に行われ、意見と表現の自由、報道の自由、宗教の自由、少数民族の権利が常に損なわれている。」とエルサレム司法研究所の「Hidden Injustices (隠された不正)」の報告書に 記している。

これは、エルサレム司法研究所と「イスラエルのためのヨーロッパ連合」で開催され、欧州で押し進めているものである。たとえ、多くの非難が欧州の大学に入り込んできたとしても、最初の試みが、先週、ヘルシンキの大学でスタートしたのだ。この発足には、イスラエル友好者とパレスチナ友好者ともに加わっており、カレブ・マイヤー(Calev Myers)、トマス・サンデル、国会議員のジョコ・ヤースケライネン(Jouko Jaaskelainen) と、二人のパレスチナ人である、フィンラドからアハティ・サーリエル(Ahti El Massri)、英国からクリスティが加わり、興味深い討論が交わされた。司会は、イナ・リトマ(Ina Litma )が務めた。

このイベントが行われた時、多くの出席者が以下の事実が語られるとは予想だにしていなかった。

―今年、ふたりのパレスチナ人が自分たちの Facebook(フェイスブック)にPLOのアッバスパレスチナ自治政府議長 のジョークを書いたところ、投獄の刑に処せられた。

―ユダヤ人に財産と土地を売ったパレスチナ人は、死刑の判決をくだされる。

―アッバスパレスチナ自治政府議長は、「ユダヤ人はパレスチナ国家には今後住んではならない。」と何度も主張している。

人権違反のリストはさらに続くが、パレスチナ人のクリスティとアハティの例からみても、抑圧的なパレスチナ政権で暮らすことが、どのようなことを意味するのかをうかがい知ることできる。

しかしながら、そのような情報はイスラエル政府が西側メディアでしか発表していない。ECIは主要なメディアとコンタクトをとってきたが、どのメディアもこのようなことは扱っていなかったのだ!

「パレスチナ人権週」は、真に苦しんでいるパレスチナ人を守る上では、強力な武器となるであろうし、そのことは同時に、ユダヤ人が祖国に戻って来ているという合法性を支持することにもつながるのである。我々が討論した時に語った、イスラエルの友人であることと、パレスチナ人の友人であることに、矛盾するものは何もない。世論調査では、ほとんどのパレスチナ人が、たとえパレスチナに国家ができたとしても、イスラエルに住みたいと語っている。

トマス・サンデルはこの討論会を次の言葉でしめくくった。「新しい抑圧的なイスラム国家の建国には、なんの解決もない。もし、真にパレスチナ人を愛するならば、われわれは、彼らの人権と生活水準を向上させれために、ともに働く必要がある。そして、より効果的に行うためには、パレスチナ政権、そして、欧州連合がともに、経済面でも支援する責任をもつ必要があるのである。」


外務大臣 より多くの情報を

ヘルシンキ ― パレスチナ人権週は、多くの国々によってアプローチされているが、最初に組織されたのは、フィンランドのヘルシンキである。パレスチナ政権下では、個人の基本的人権と自由が否定されているにもかかわらず、それが明るみに出されていないと、多くの者たちが語る。それらの不正な内容とは、パレスチナ難民に市民権を与えることを拒否し、その代わりに人種差別のような状態にしているのは、隣国らが行っているものだということである。

しかし、欧州全体を通して、あるいは、欧州とフィンランド政府を介して、パレスチナに援助物資を送ることができるかどうか検討するよう国会で約束した議員たちが、いくつかの会議を形作っている。フィンランド政府は、パレスチナ向けの教科書を調達したことで、増悪の文化を増幅するだけだと非難されている。最も顕著なのは、エルッキ・フィンランド外相が電子メールで交わした内容である。その内容はパレスチナの選挙活動を目的とすることに合意し、個人的に文書を受け取り、セミナーから結論づけたいと述べたものである。

そのような中で、ECIもまたフィン援助教会の代表者と会合している。同団体は西岸・ガザ地域でイスラエル製品をボイコットするため、表記義務付けに昨年加わった。討論はオープンで、建設的で、フランクであり、いろいろな意見が交わされつつも、検討され続けている。

会議の中で、カレブ・マイヤー(Calev Myers) 氏は、パレスチナ政権下で、いかに多くの人権が踏みにじられているかを語った。いままでの全組織を見ても扱われていなかったようなことが語られたのである。

マイヤー氏は、住民を脅かすことは受け入れがたいことであり、イスラエル政府、イスラエル国防相は、いずれもそのような行為を非難していることを強調した。イスラエルとパレスチナの主要な違いは何かを考えるのであれば、それは、イスラエルが法の下、刑を下しいるのに対して、パレスチナはなんら法的システムを使用することなく、パレスチナ政権下で行っているということである。「西側の人権団体は、パレスチナの何を守っているのか?」の質問に対し、フィン援助教会は耳を傾け、より多くの情報を提供するために、連絡し続けることを約束した。

来年はより多くのイベントを組織し、メッセージを広げるためにも、ビデオを使った討論会を考えている。 トロントで友好関係にあるのは、フェイテネ氏(Faytene Grasseschi)で、彼は、昨年の11月ECIの年次総会で話している。その総会の中で、パレスチナ人権週の事柄がその会議で最初に取り上げられた。さらに会議を組織化し、ECIは新たなネットワークと、同じプロジェクトをもつ人々の連絡網を手助けしたいと願っている。新しい機関を社会に構築することによって、ただうんちくを語るだけでなく、より効果的に、われわれのもつメッセージが届くことができるからだ。多くのコメントが反イスラエル感情をもつ人々によって寄せられてきたが、しかし、そのコメントに対してわれわれはだれもそこに真実があるとは思ってはいない。


ECI祈りのサミットの必要性を強調

すべてをできる人はいない、しかし、誰もが何かをすることはできる

ブリュッセル-ECI主催の第11回ヨーロッパ祈りのサミットが行われ、欧州各国から多くの人々が参加し、新しい段階に入ったことを感じることができた。このサミットで、参加団体は、欧州、アフリカ、日本国内にある、議会、国際機関で、興味深い活動がなされていることを聞いた。

多くの新しい扉が開かれたからこそ、参加したリーダーたちは、この働きを揺るぎないものとするために、祈り手を、欧州各国において、世界において召集する必要性が出てきたことを感じた。そこで、月の最初の金曜日を、断食と祈りをもつ日としたのである。ECIはとりなし手たちと連絡をとりつつ、祈りの課題を提供する意向である。ある団体は、「次の祈りのサミットが早くこないものかと待ち遠しい。」と語った。

「現在の情報技術は私たちのコミュニケーションをスムーズにし、そのテクノロジーを用いて連絡網を高めていく必要がある。」と、トマス氏は語る。

どの団体であっても、また個人であっても、祈りのために定期的な情報が必要であれば、ECI事務所に連絡していただきたい。 info@ec4i.org


次世代のリーダーたちのために

オックスフォード-グローバルな視野で考えたい若い指導者が増えているが、ヨーロッパ祈りのサミットはそのような次世代のリーダーたちを集め講演する時を得た。しかし、欧州を通じて、イスラエルを助けることが主題であったので、ある意味、世界視野というより、ローカル的なものであった。英国キリスト企業主催、オックスフォード・ウィルバーフォースアカデミーで、トマス・サンデルも、次世代の若者に向けて話した。サミットを通して、多くの若者たちが、機会が与えられるのあれば参加する意思があることを述べた。トマス氏は、ECIが固い土台を打ち立てている南フランスでも、リーダー向けのサミットで講演した。

もし若いリーダーたちに向けての働きに、祈りにおいて、あるいは、支援において、参加することを希望されるのであれば、遠慮なく、ECI事務所に連絡してほしい。共にこの働きに取り組めば、きっと何かが生み出されるはずにちがいない。