2013年10月26日土曜日

ECI、EU評議会に警告

割礼に反対する最近の決議は、EU内の人種間の嫌悪を助長する


2013年10月24日【ヘルシンキ】 ECIは、宗教的理由による男性の割礼を問題視する最近の欧州評議会の決議を、ヨーロッパの価値観を曲げるものだと、公然と非難します。10月24日(木)、評議会事務総長Thorbjorn Jagland (トールビョルン・ヤーグラン)への手紙の中で、ECIは、欧州評議会は、宗教的寛容と信仰の自由を促進するために1949年に創設されたのであって、最近の決議のように嫌悪や信仰の自由の規制をあおるためのものではないことを指摘しました。

勧告を発することで、欧州評議会は実際にその独自の価値観と目的に相反している、と手紙では述べられています。

この欧州評議会の決議は、欧州各国内でのユダヤ人の生活をますます困難にしています。基本的権利のための欧州連合機関からの最近の調査は、25%のユダヤ人たちは、攻撃されることを恐れてユダヤ人だとわかるような服装やシンボルを身に着けることを避けていると語ったことを明らかにしました。スウェーデンのようないくつかの国々ではその数は約50%に上ります。

さらに、ギリシャ、ハンガリー、ブルガリヤ、それにフランスといったかなり多くのヨーロッパの国々で、民族主義や反ユダヤ主義の政党が数を増やしてきています。

最大のEU主要国の一つであるフランスでは、公然と外国人嫌いを表明するNational Front が現在、2014年5月に行われる次期EU選挙のための投票では最も人気がある政党になっています。

「偏狭さと外国人排斥が増長するこのような空気の中で、人々は欧州評議会からの違ったメッセージを期待するだろう。」とECIのディレクター、Tomas Sandell(トマス・サンデール)氏は自身の手紙の中で述べました。

「ヨーロッパの過去の悲劇を引き起こしたこれらの勢力と戦う代わりに、欧州評議会は、ユダヤ人とイスラム教徒が彼らの宗教的伝統に従って生きること、男児の割礼に疑問を投げかけることによって、嫌悪や排斥を助長している。

もし国の法律として履行されるならば、それはユダヤ人とイスラム教徒の宗教的自由を厳しく制限することとなり、ヨーロッパでのユダヤ人の命を終わらせることになるだろう。」

ECIは、ヤーグラン事務総長が、賛成78票、反対13票、棄権15票で10月1日に採決された議決からすでに距離を置いていることに注意を払っています。ヤーグラン氏によると、欧州議会は諮問機関であって、評議会全体の立場を代表しているものではありません。

欧州評議会は、1949年、人権、民主主義の発展と文化的協調を促進するために設立されました。議会は49ヶ国からのメンバーで構成され、欧州連合からは独立しています。欧州評議会の議員会議は642の選出されたメンバーで構成され、年に4回、フランスのストラスブールで会合を持ちます。