2014年10月29日水曜日

ECI、スウェーデン路線でなく、北欧首脳らの決定を称賛

スウェーデンのパレスチナ国家承認は、オスロ合意違反

【ストックホルム】 2014年10月28日、ECIは、フィンランド、ノルウェー、デンマークの各国が、スウェーデン政府がパレスチナ国家を認めたことに対して反対を決定したことに賛同する。

ストックホルムで28日月曜日から北欧年次定例総会が始まり、翌日火曜日、ECI主催で北欧委員のための朝食会が行われた。その朝食会で、ECI創設者のトマス・サンデルは、北欧各国は、パレスチナ国家を支援しない国際法を遵守すべきことを強く勧めた。

スウェーデン議会で行われたこの朝食会で、トマス氏は、スウェーデンのパレスチナ国家承認は、「すべての未解決の問題は、交渉で決定されるべきである。」というオスロ合意を無効にするものであると指摘した。

「パレスチナ国家の一方的な承認は、霊的にも、オスロ合意の書簡の中でも違反しているものです。」と、トマス氏は火曜日に行われたストックホルムの朝食会で語った。「スウェーデン政府は法律を遵守すべできであり、法律を無視するべきではありません。」と述べた。

「ISISとハマス、双方ともジハード(聖戦)の概念を持ち、今日の中東地域に深刻な脅威を与えています。一方が一方(ISIS)を非難することもせず、他方(ハマス)を受け入れることもありません。」

「ユダヤ人国家を決して認めないと誓ったテロリストグループのハマスによる共同政権のパレスチナ国家を認め、そして、市民を人間の盾として使う彼らを認めることは、スウェーデンは、国際法と人権を弱体化することであり、同時に、中東地域で唯一の民主主義国家であるイスラエルを弱めることにもつながります。」

民主主義とは、本来、弱い者や抑圧されている者たちのために立ち上がるためにある。今日、クリスチャン、他の少数派の宗教家たちは、ガザを支配するハマスと同じように、イラクとシリアのジハーディストによって殺害されている。中東地域で唯一イスラエルだけが、キリスト教、他の少数派の宗教と平和で安全に共存している国である。

「パレスチナ国家を認めることは、国際社会の利益につながらず、パレスチナ人にも益とはならないでしょう。それはただ、基本的自由と人権を無視した、もう一つの抑圧的なイスラム国家を中東地域に作ることだけです。スウェーデン政府は、ハマスが共同統治するパレスチナ自治政府を国家に投じる一方で、聖戦という大量虐殺を行っている者らの支援に反対し、矛盾していることにつながるのです。」

朝食会は、ローランド議員(Roland Utbult)、ミカエル議員(Mikael Oscarsson)と、スウェーデン議会でECIと共催で行われた。

2014年10月10日金曜日

2014年10月号 月間報告

今月のニュースは良いニュースと悪いニュースが混じっている。一つは、中東や欧州で起こっているユダヤ人のためのイスラエルに関する状況について、悪いニュースが身近に起こっていることだ。最新の事例として、スウェーデンの新政権が、イスラエル政府との和平交渉なしに、パレスチナ国家を認める意向を示したのは、明らかに悪いニュースといえよう。

しかしながら、良いニュースは、フィンランドのサウリ(Sauli Niinisto)大統領が、火曜日にその意向を否定したことによって、北欧圏のパレスチナ国家の意思表示を意味なきものにしたかのようだ。

今月号のレポートは、ニューヨークの国連本部から報告すると共に、予想外にもヨーロッパの端にあるアルバニアからの良いニュースも届けることができる。

そこで、どうか経済的支援によって、欧州から、国連から、良いニュースを届け続けることができるよう助けて頂きたい。人々の思いと心の戦いは激しくなっている。しかし、私たちが一致団結するならば、良いニュースを伝えることができるであろう。

ECI、国連閣僚朝食会で、ネタニヤフ首相とパン・ギムン国連事務総長から支持

【ニューヨーク】 9月30日の火曜日、ニューヨークの国連本部で、新しい章が、ヨム・キプールの祭日を公に示す最初の会合が行われたことによって刻まれた。

ECI主催の閣僚朝食会では、「ヨム・キプールの精神である、紛争の時代の赦しと和解」をテーマに、国連外交官、国連官僚、要人らが集い、ヨム・キプールにある意味合いを理解し、紛争解決と平和構築ついて学ぶ時をもった。

プレゼンテーションや個々の証しを通して、この時代の中で、民族間で、政治指導者がいかに和解してきたかを、第二次世界大戦後のドイツとフランスの和平プロセスから、1994年にルワンダで起きたジェノサイドのいやしと国家統一の過程に至るまで、実例を示し、語られた。

今回、基調演説で力強いメッセージを語ったのは、カレル大使(元欧州委員会外部渉外副長官)(写真上)とジャンヌダルク・バジャエ・ルワンダ大使(写真右、ハラルド・ブラウン(Harald Braun)ドイツ国連常任委員と共に)で、主要ユダヤ団体会長のマルコルム氏(Malcolm Hoenlein 写真下)と、イスラエル国連常任委員のロン氏(Ron Prosor)からヨム・キプールが語られた意味を反映させながら演説した。

ECIのグレゴリー氏(Gregory Lafitte)とトマス氏(Tomas Sandell)は朝食会の背後にある将来的展望を語り、ユダヤ人が国連の創設と世界平和に多く貢献してきたことを認識してもらう必要があることを説明した。

「ノーマン・ロックウェルのモザイクに黄金のルールとしてイザヤ書が国連本部の壁に、普遍的な世界平和のヴィジョンとして刻まれていることによって、国連が、ユダヤ人の貢献の上に築き上げられているのがわかります。」と、グレゴリーは語った。

ECIが新たに率先して進めている、文化外交フォーラムは、本来ある価値と国連の目的を強化し、イスラエルを含めたより良い国家作りのために、これらの原則を構築することを目指している。

他の宗教の休日は国連で認められている一方、ユダヤ人の祭日は国連ではまだ認められていない。ECIは、現在、国連にヨム・キプールの祭日を要請するために、イスラエル政府と協力関係にある。

この歴史的に意義ある朝食会で、イスラエルのネタニヤフ首相から個人的な手紙がECIに届けられ、ヨム・キプールを国連で認める努力に、感謝の意が述べられた。また、パン・ギムン国連事務総長からECIに手紙が届き、この会議は、国連本部にとっても「非常に重要である。」と述べられた。

近年の官僚朝食会で分かってきたことは、一般的に思われているよりも、イスラエルは国連で多くの友がいると言うことだ。それゆえに、もし何らかのアプローチをする場合は、それらの国々を動員することができるであろう。

この文化外交フォーラムでは、ユダヤ人が国際社会にいかに貢献しているかを気づかせるために、多くの国連加盟国との関係を深めつつ、継続していく意向である。

この時点で、ECIは、国連193加盟国の中、70-80の国連加盟国とニューヨークで会合し、イスラエルについて建設的肯定的な話し合いの時をもっている。


ECI代表団、アルバニア大統領と会談 ハヌカの祭りをティラナで祝うための招待を受ける

【ニューヨーク】 ホロコースト以降、それ以前よりもより多くのユダヤ人がいる国がたった一つだけある。それはアルバニアで、ヨーロッパで最も小さく貧しい国の一つだが、ユダヤ人に対する心を持っている国だ。

ECIからの代表団は、9月の最終週にニューヨークで行われた第69回国連総会での一般討論演説に参加していたアルバニア大統領ブヤール・ニシャニに歓迎された。会見の中で、ニシャニ大統領はECIの働き、文化外交フォーラム、ヨーロッパとイスラエル間の関係を強化しユダヤ人を守る我々の働きに大きな関心を表明した。

圧倒的にイスラム教徒が多いこの国でユダヤ人たちが非常に守られていたこと、そして今日もその歩みをアルバニアが歩み続けていることは驚くべきことだ。2012年11月の国連でのパレスチナを国連非加盟国から格上げする議決の投票で、正式にはイスラム圏であるにも関わらず、アルバニアは棄権した少数グループに属している。

同国は後に、パレスチナの件を支持するのに失敗したことでトルコ首相から厳しく非難された。大統領は、アルバニアとユダヤ人国家との緊密な関係と通商関係の成長をとてもポジティブなものとして説明した。同大統領は、シモン・ペレス前イスラエル大統領の90歳の誕生パーティーに出席した、数少ないヨーロッパの大物政治家で、昨年、アルバニアでユダヤ人の文化を認めて首都ティラナでハヌカの祭りのパーティーを主催した。

会見の終わりに、大統領は、親切にECI代表団を12月にティラナで開催予定の次のハヌカのパーティー招待して下さった。また大統領は、アルバニア政府は、イスラエルとヨーロッパの良い関係を向上させるためにECIと共に働くこと、また国連レベルでの文化外交フォーラムにも関心を持っていることを何度も繰り返された。

アルバニアの事例は珍しいことではない。世界の多くの国々は現在、イスラエルのダイナミックな成長と始まったばかりの文化から学ぼうとイスラエルにより緊密になっている。ECIはこれらの関係とEUと国連レベルでの彼らのサポートを促進することを誇りに思っている。


スウェーデンの新政府はパレスチナ国家を承認する事を計画
しかし、他の北欧諸国はそれには加わらない意向

ストックホルムの国会
【ストックホルム】 スウェーデン新政権の少数派が、パレスチナ国家を認識するための計画を出したが、北欧諸国内では、外交雪崩が始まっている。エリッキー(Erkki Tuomioja) フィンランド外相は、スウェーデンの選挙運動に加わることを望み、他の北欧諸国も加わるよう説得しようとしている。 

スウェーデンのその計画は、スウェーデン本国では、野党が新しい政権に同意せず、まだ、いくつか深刻で重要なハードルにぶつかっている。

スウェーデンの主導で始まった計画は、全く驚くものではない。この年の初め、後に首相となったステファン・ロベーン氏が自分のフェイスブックでイスラエルへの同情的な支援のことを述べたが、反ユダヤの激しい攻撃にさらされることになり、後に、自分の意見を削除しなければならなくなった。それは、明らかに党派内にある強い反イスラエルロビーの圧力の結果であることがわかる。

2008年、社会民主党はスウェーデンのイスラム教徒評議会と、イスラム教徒の地域から政治的援助を受ける代わりにイスラム教徒の理念を援助することを約束した契約を取り交わした。しかし、その党の反イスラエルの意見は、1970年代、オルフ・パルメ元首相が、ヤーセル・アラファート氏への援助を表明した時にまで遡ることができる。

1983年には、パルメはヤーセル・アラファート氏を受け入れた最初の西側の首脳となり、 アラファート氏をテロリストの指揮官ではなく、指導的政治家として表明している。社会民主党の現在の首脳はテロリストグループのハマスと密接に関わっている。

しかしながら、スウェーデンの計画は、国際法およびモンテビデオ条約の国家独立に対する基準に違反している。その法によれば、国とは、自国の領土を統制し、国として認められる前に、まず国境紛争を解決させておく必要があると述べている。

パレスチナ国家の領土がハマスとファタハに分割されていること、そして、パレスチナ自治政府がイスラエルと境界紛争を、いまだ解決する必要があるため、パレスチナはその基準を全く満たしてはいない。

Varlden Idag新聞の広く社会に出回り人々に親しまれている解説を通して、スウェーデンの発表宣言された同じ日に、なぜその発表宣言が国際法に反するかという理由を説明し、ECIは、返答する事ができた。

この討論は、後で、スウェーデンや他の北欧諸国でなされるスピーチや記事で、取り上げられたり引用された。そのことは、パレスチナ国家の承認に反対するという意見を奮い立たせる助けとなった。

公の論争について、関連する諸意見を持つものと議論を交わすことで、ECIはイスラエル支持の討論を形作る助けをすることができる。

この日を覚えてください。

ECI第11回年次政策会議は、2014年11月20日-21日に、ブリュッセルの欧州議会で行われます。

アウシュビッツ解放70年記念 欧州とイスラエルの関係

席は限りがありますので、ご予約ください。


Editor Tomas Sandell tomas.sandell@pp.inet.fi
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2014年10月3日金曜日

ECI、NY国連本部でヨム・キプール前に官僚朝食会を主催


【ニューヨーク】 2014年10月3日、ECIはニューヨーク国連本部で、ユダヤの祭日を重視する歴史的イベントを主催した。官僚との朝食会で、「紛争が許されるこの時に、ヨム・キプールの精神である、赦しと和解」が国連総会の一般討論会と共に行われた。パン・ギムン国際連合事務総長は、ECIに宛てた手紙の中で、「国連本部で重要な会議」のイベントであると記した。

基調演説では、欧州委員会の対外関係の元次長であるカレル(Karel Kovanda)大使が、紛争時にあるこの時こそ、赦しと和解が必要であることを語った。

「和解こそ、事態を改善させる手段です。和解があれば、それが反映され、後悔、良心の呵責、謝罪、過ちの赦しとなり、そして、過ちの償いへとつながることにもなりえるのです。」

大使は「和解」とは、「フランスとドイツ」のような国家間の和解と、ドイツ人とユダヤ人の民族間の和解、ルワンダの和解プロセスのような個々の単位の和解とを区別した。

しかし、大使はまた、文化革命という集合記憶が、未だに抑圧されている中国のような国々についても語った。「中国の歴史はいまだ空白で、公にされていなページがあります。」

ジャンヌダルク・バジャエ(Jeanne D’Arc Byaje)大使は、1994年の大虐殺後、ルワンダで起こった統一と和解の国のプロセスについて見解を述べた。

「何百万以上もの人々の虐殺に処理するために、ルワンダ当局は、ガチャチャ村の習慣に基づいて、移行期の司法・正義(トランジショナル ジャスティス)を適応するために、従来の司法制度を取り除かなければなりませんでした。

この移行期の司法・正義制度は、ジェノサイド(大虐殺)容疑者40万人の処理を管理しました。ある者は釈放され、ある者は地域の労働を課せられ、他の者は罰金、また、別の者は、実刑判決を下されたのです。そして、この制度は昨年、閉鎖されました。」

グレゴリー(Gregory Lafitte)ECI国連ディレクターは、未来を期待するためには、過去を振り返る必要があることを強調しつつ、ヨム・キプールの普遍的な価値について語った。

「ユダヤの祭日は、私たちに重要な事柄を教えます。ヨム・キプールは、過越の祭のペサハで見られるように、奴隷からの解放、赦しと和解の事例を提示しているのです。」

グレゴリーは、国連本部前のモニュメントにゴールデン・ルール「行動規範」(あなたがされたいように他の人にしてあげなさい)の原則として、なぜイザヤ書2章の平和のヴィジョンが刻まれているのかを出席者に思い起こさせた。

「イザヤのヴィジョンは、剣をさやに収め、戦争がない未来を指摘しているのです。このビジョンは国連の創設と同様、歴史を通じて社会の改革者にインスピレーションを与えてきました。

私たちが前者後者に耳を傾け、国連の主要な目的と原則を強調するゴールデン・ルールの価値を認識するためにです。」と彼はスピーチを締めくくった。

朝食会では、世界的なヨム・キプールの価値を手紙に記したイスラエルのネタニヤフ首相からの公式の挨拶を受けた。その手紙では、ネタニヤフ首相はヨム・キプールを国連の公の休日にするよう努力しているECIに感謝した。

朝食会では、ロン(Ron Prosor)国連常任委員が、イスラエル政府の水衛生から農業技術に至るまで、今日、ユダヤ人の国家の国際社会への多くの貢献について語った。

主な米国ユダヤ人団体の議長であるマルコム(Malcolm Hoenlein)氏は、ユダヤ社会のヨム・キプールの宗教的重要性について述べた。

ECI創設者であるトマス(Tomas Sandell)氏は、「世界は混乱している!」と語ったマデライン・オルブライト(訳注:第64代アメリカ合衆国国務長官)の言葉を引用し、次のように述べた。

「平和を築くためには、私たちは赦しと和解の文化を育成する必要があります。ヨム・キプールを国連の休日にすることは、ユダヤ人に休日を与え、歴史的な不公平を修正することになるのです。

しかしながら、ヨム・キプールの意味合いは、普遍的であり、赦しと和解を反映する日であり、これこそが国連憲章の中心的な意義でもあるでしょう。」

ECIの国連関係の働きは、文化外交フォーラムによるものであり、ECIが国連本部で組織的に進めた2番目のイベントであった。

将来的に、ECIの文化外交フォーラムは、ユダヤ人の多くの貢献を国際社会に認識させ、これらの原則の上に構築する場を提供することにある。