2015年10月14日水曜日

EUはイスラエルのテロに対して立ち上がる時


EUはイスラエルのテロに対して立ち上がる時

【ブリュッセル 2015年10月14日】 10月13日現在、エルサレムでの暴動はエスカレートしている。フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表は、「イスラエルとパレスチナは平静さを取り戻すように。」との声明文を発表した。

モゲリーニ氏の声明と、13日にブリュッセルで行われたEU上級代表者会談の中で、トマスECI設立ディレクターは次のように述べた。

「テロとエルサレムで起こった罪のない一般市民の残虐的な殺害に中立であってはなりません。パレスチナ当局へ唯一最大な基金を援助するEUは、すべてのパレスチナを扇動する暴動を直ちに止めるべきであり、これ以上の財政援助をEUは凍結すべき道徳的責任があるのです。」

ECIと賛同する欧州議員は数年間、パレスチナのテロを扇動する基金援助を止めるよう求めてきた。そのような行為は、パレスチナの幼稚園、UNRWAキャンプの子どもたちから、パレスチナ当局の上層部に至るまで、憎悪文化を社会全体に生み出す結果となることを警告してきた。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、この秋、「汚らわしいユダヤ人は黄金ドームへ立ち入ることを禁ずる。」と言い出し、EU本部やアメリカ政府の抗議を無視し、「エルサレムで流された殉教者たちの純粋な血」を讃えた。

一方、パレスチナ自治政府にあるモスクのイマームらは、ユダヤ人殺害を要求し、それゆえに、かつてないエルサレム市民の残虐的な殺害を炎上させ、ついには、イスラエルのいたるところでテロ行為が起ころうとしている。

13日、トマスECIディレクターは、罪のないユダヤ人が刺されて死亡している時、「EUはイスラエルとパレスチナに平静さを」と要求する中立の立場に立つだけではならない、と語り、罪のないユダヤ人市民への攻撃を扇動し、実行するパレスチナの指導者らを拘束するよう明言すべきだ。」と述べた。

ユダヤ人がエルサレムで生きることは、ベルギー、フランス、デンマークで生きると同じように重要なことだ。もしEUが価値ある一致を望むのであれば、見てみぬふりなどできないはずだ。テロ行為を支援、扇動する政府への財政援助をこのままにしておくことなどできない。

13日のtwitterで、アンダーソン・イスラエルEU大使は、テロによるエルサレムでの死傷事件を下記のようにツイートした。

「私はエルサレムで起きた残虐な殺害を非難します。殺された3人のご家族と多くの被害者を思い、心を痛めます。このようなテロ行為は人的被害の原因となるだけではなく、信頼できる一般市民を害し、街行く人々の感情を損ないます。平和を望むのであれば、市民が安心して住めるコミュニティが必要であることは言うまでもありません。」

2015年10月9日金曜日

2015年10月 月刊報告

パン・ギムン国連事務総長、ECI共同主催のユダヤの祭日タシュリフに出席  

【ニューヨーク】 ECIの共同主催であるユダヤの祭日タシュリフ行事に、50カ国以上もの大使・外交官らがニューヨーク国連本部のロ ーズガーデンに集い、ユダヤの新年ロシュ・ハシュナーを祝い、大贖罪日ヨム・キプールを迎える備えをした。 

この行事は、ECIが国連に働きかける文化外交フォーラムの一環で、ユダヤの祭日の普遍的メッセージと原則を、国連に取り入れるためのミッションであり、国連で双方且つ多国間に渡って多くの年月をかけ話し合われた結果の最高潮のイベントであった 。

ローズガーデンには過去最多人数である約150名が集った。パン・ギムン国連事務総長の導きで、新年のスタートと第70回国連総会の新たな出発のために、タシュリフの罪を流す行事がイー ストリバーで行われた。

グレゴリーECI国際問題国連ディレクターは、パリの大シナゴーグの主任ラビ、モシェ・セバッグの言葉を引用し、このように説明し た。 「川にパンくずを投げることで私たちの罪を清めることはできません。しかし、神に対し、人に対しても赦しと和解をする必要があることを思い起こさせるのです。」 

グレゴリーはユダヤの祈りの歌 アヴィヌ・マルケイヌにある「我らの父よ、我らの王、我らは神のみ前に罪をおかしました。我らと我らの子孫を憐れみたまえ。」の原則を説明した。 

彼はまた、若いユダヤ人の預言者であったイザヤが「その剣を鋤に 打ち直し。」と書いた時から、1945年、サンフランシスコで国際連合憲章が採択された時のユダヤ人コミュニティの役割が国際社会と国際連合の創設に至るまで、ユダヤ人から多大な貢献があったことを、聴衆に思い起こさせた。 

ECIの文化外交フォーラムの主要な目的は、ユダヤの祭から普遍的なメッセージを学ぶことにある。ヨム・キプールから赦しと和 解を学び、過越しの物語からは奴隷からの解放の意味があり、ハヌカから信仰の自由を学ぶ。

ECIは過去2年間、ヨム・キプールを国連に認識してもらうために働きかけてきた。今年、国連は初めてこのユダヤ暦にある祭日の重要性を理解し、その後、ヨム・キプールの日に国連事務局は休日であった。そして、今年、偶然にも、イスラムの祭日であるイード・アル=アドハーも国連事務局は休みであった。 

さらに、今年辞職するロン・イスラエル常任大使の最後のスピーチともなり、国連の改革の必要性を語り、国連は最終的には自由の砦、 平和の神殿となるべきことを語った。 

アーサー主任ラビによって導かれたこの画期的なタシュリフ行事は、感謝の祈りの中で、国連で最初のタシュリフが行われた生ける証人であることを語った。 

イベントの夕暮れ時、トマスECI創設ディレクターは、ECIがなぜユダヤ人とユダヤ文化を国連で祝い、尊重しなければらないのかを説明した 。

 「ホロコーストが許されたのは、ユダヤ人とユダヤ文化を尊重しなかったからだと思います。忍耐するだけでは反ユダヤ主義に対してなんの効果ももたらしません。ユダヤ人とユダヤ文化に助けられたことを感謝することを学ぶことだけが、過去の世代の過ちを繰り返さないことにつながるのです。」

 写真左から:ヘラルド・エクカート、トマス・サンデル、カレブ ・パラウ大使、ルドルフ・ゲイギー、グレゴリー・ラフィト

Photo credit: Arnold Brower

 文化外交行事で一つに

【ニューヨーク】 中東の政治的情勢がますます二極化する中で 、我々が行った国連でのイベントのメッセージは、その橋渡しとなる助けになったことであろう。

多くの国連大使、高官らが、9 月21日月曜日に行われたタシュリフ行事に参加したことによって 、国連総会で通常イスラエルに票を投じる国連常任理事国の数よりも、多くの国々がイスラエル支持であることが分かる。

伝統的にイスラエル寄りでない国の多くの大使や外交官らが、タシュリフ行事に出席する中で、この歴史的なイベントを知るきっかけとなったことであろう。 特に、パン・ギムン国連事務総長とその側近たちがユダヤの祭りを重んじ、出席されたことに感銘を得た。

ECIの文化外交フォーラムは、文化的な外交を通じ、正しいアプ ローチへと導くことを基盤としている。このようなイベントを通して、イスラエルの新しい友を作る助けとなれる。近年まで、イ スラエルが尊重され、感謝されるばかりでなく、イスラエルの懸念する事柄を表現できる国連での足場がなかった。我々の文化外交フォーラムではそのようなグループを確実に建てあげていく助 けとなろう。

欧州討論会、ECIに高まる懸念についての発言の機会を提供

【ブリュッセル】 ECIのリーダーたちは、エルサレムで幹部会議が開催され、それからニューヨークの国連総会の一般討論会に出席するので、9月は歴史的に多忙な月だが、ブリュッセルで開催された欧州委員会の基本的権利に関する第一回年次討論会に出席することができた。

ECIは、イスラエルに対する欧州委員会の政策に関しては、必ずしも一致するわけではないが、対話する場に留まること、そして彼らにイスラエルが孤立しているのではないことを認識させることは重要である。そしてイスラエルを支持する非ユダヤ人の声の存在を欧州連合に認めさせることも重要だ。

事実、ECIは、2003年から2004年、欧州委員会のロマノ委員長が反ユダヤ主義と闘うための第2次インティファーダと反ユダヤ主義の高まりの後で欧州会談の中から生み出されたシンポジウムを開催した。

11年後の2015年、欧州委員会はブリュッセル、パリそしてコペンハーゲンでのテロ攻撃に対して、反ユダヤ主義と反イスラム嫌悪を話し合うシンポジウムを行った。

多くのユダヤ人団体と同様、ECIは、欧州委員会が反ユダヤ主義を反イスラム嫌悪と同等の問題と捉え、もはや反ユダヤ主義を特殊な問題と見なすことができないと考えた。

しかし、2004年に大きく覚醒された後、欧州委員会は働きから数歩引き下がったと多くの出席者は述べた。極端なイスラエル批判を含む古いEUの反ユダヤ主義についての定義は、現在EUのホームページからは取り除かれている。

円卓会議の席で、トマスECIディレクターは、シオニズムは反ユダヤ主義を引き起こす要因ではなく、歴史的にその解決になってきたと指摘した。この討論会の主催者である、欧州委員会の第一副委員長のフラン氏も、「反イスラエル主義は反ユダヤ主義をカバーすることはできない」と言及した。

ECIは、多年にわたり、アメリカやドイツと同様に反ユダヤ主義のための特使を任命するよう欧州委員会に訴えてきた。先週、フラン氏は、そのようなコーディネーターを、反イスラム嫌悪に対応する別のコーディネーターと一緒に任命する決定を発表した。

ECIは、反イスラム教主義を含む、あらゆる形態の人種差別主義と外国人嫌いと闘う決意をしているが、しかし、反イスラム嫌悪とセットでなければ、欧州委員会が、ヨーロッパのユダヤ人たちに対する反ユダヤ主義の脅威の実存を話し合うことができない今日の現状を遺憾に思う。

この2つの問題には相互関係がない。このアプローチは、フランスやその他のヨーロッパの主要の国々で起こった反ユダヤ主義暴力が過激派イスラム教徒によるものであった事実を隠蔽したかのように考えられる。これは次回の欧州討論会の議題になるだろう。

イスラエルのためのベルギー連合、シャローム・フェスティバルを共催 

【ブリュッセル】 イスラエルのためのヨーロッパ連合は政府関係の中で活動しているだけでなく、例えばイスラエルのためのベルギー連合のような、パートナー団体を通して草の根の活動でも働いている。

ベルギーで、この連合は、同じ考え方を持つクリスチャンとユダヤ人の団体とともにシャローム・フェスティバルを立ち上げた。そのメッセージは、過去の痛みを伴う経験にもかかわらず、世界のすべての国々の平和への希望を表明している。

9月上旬、彼らはベルギーでシャロームイベントを組織したが、たくさんのクリスチャンとユダヤ人が参加した。次のブリュッセルでのシャロームイベントは10月25日にアントワープで開催される予定。詳しい内容はホームページをご覧ください。http://www.shalomfestival.be/

ECIイベントの重要なお知らせ

ECI政策会議が祈りのサミットと共に、2016年4月21-24日に開催することが決まった。以前は2つのカンファランスでどちらに出席しようかと思われた方もいるかもしれない。しかし、今回は2つで1つのセットになっている。

そして、その前に、2015年12月2-3日、ブリュッセルで小さなイベントを開催し、2日は祈りの欧州祈りのブレックファーストになる。このイベントは、欧州議会で行われ、夕食、ECI説明会、シンポジウムが含まれる。

12月2日水曜日 19:30 年次夕食
12月3日木曜日 9-11:30 年次ECI説明会
12月3日木曜日 13-15:00 欧州議会で開催されるECIシンポジウム:現在と過去におけるユダヤ人の欧州での貢献

席は限られていますので、出席をご希望される方はお早めにお申し込みください。

2016年4月21-24日 場所:ブリュッセル
ECI年次政策会議および祈りのサミット


Editor Tomas Sandell tomas.sandell@pp.inet.fi
Copyright c European Coalition for Israel


2015年10月2日金曜日

ECI、基本的権利についての最初の欧州討論会に招待

首尾一貫しないEUの政策が、反ユダヤ主義に対する効果的な対策を妨害

【ブリュッセル 2015年10月2日】 欧州委員会は、反ユダヤ主義の台頭とイスラムに対する嫌悪の高まりを受け、基本的権利についての初の年次討論会を開催した。

反ユダヤ主義と反イスラムをまったく同一のものとして嫌悪する、とまとめた取り決めに、代表団からは賛否両論が上がった。

Frans Timmermans 欧州委員会第一副委員長は木曜日、彼の決定を弁護して、「今は両方のグループがともに座り、お互いについて話す代わりに、お互いが話し合う時だ。」と語った。Timmermans はこの2つの現象はその起源、歴史、現れや与える影響においてそれぞれ違うことを認めているが、いまだに、両者は同じ会合の中で取り組む必要があると信じていた。

イスラエルのためのヨーロッパ連合の創設者のTomas sandellは円卓会議に招かれたが、彼は唯一の非ユダヤ系で親イスラエル団体の代表だった。発言の中で、彼はTimmermans 氏を「反ユダヤ主義を隠す覆いとして反イスラエル主義を用いる者たちがいる」ことを認めたことを評価した。続けて、「シオニズムは歴史的に反ユダヤ主義に対する解決であって原因ではない。」と語った。

今日、ユダヤ人国家が、存在するというだけで、イスラエルをボイコットすることを求める過激なグループに、再び問題視されている。同グループはまた、そういうものとしてユダヤ人について否定的な見解をもっている。サンデール氏は、別に書かれた声明の中で、「欧州委員会は、西岸、カザ地区で生産されたイスラエル産品にラベルを貼ることを求めている。そのような態度は、再びイスラエルを孤立化させ、反ユダヤ主義を阻止するという目標に対して傷を付けるというリスクを負うことになるものだ。」と警告した。この新しい法案の導入は現在、日々持ち出されようとされ、すべてのイスラエル産品を禁止することを望む反イスラエル勢力に火をつけるかのようだ。

レイキャビク、アイスランドの市議会は国際的暴力の後、すべてのイスラエル生産物を禁止する決定を撤回しなければならなくなった。「イスラエル生産物にラベルを貼る要求は、イスラエルが中東紛争の問題の唯一の原因だと信じる勢力とヨーロッパのユダヤ人に報復する勢力を強めるだけだ。」

彼はまた、ナチスの第三帝国の反ユダヤ主義はユダヤ人ビジネスをボイコットするところから始まった事実を欧州委員会に思い起こさせた。

この会合において、Timmermansは、反ユダヤ主義に関わる問題ともう一つ別にイスラム恐怖症に対する問題に対する特別な責務を持つ2人のコーディネーターを任命することを決めたことを発表した。

ブリュッセル、パリそしてコペンハーゲンでのユダヤ人を標的にしたテロ攻撃に対する欧州委員会の消極的な反応に、多くのユダヤ人グループは失望の意を表明してきた。彼らはヨーロッパに別の形での人種差別主義と外国人嫌いの存在を認め、彼らは欧州委員会が真の懸念に言及していないことに恐れを抱いている。

この討論会でMette Bentowは、コペンハーゲンのテロ攻撃の生存者の一人だが、彼女の若い家族に負わされたトラウマの証を分かち合った。彼女は率直にヨーロッパにいて将来があるのかと問いかけた。

ヨーロッパユダヤ人会議の代表Moshe Kantorは、EUはユダヤ人たちがヨーロッパから離れることを防ぐために十分な努力をしていない、と演説の中で警告した。昨年、何万ものユダヤ人たちがより安全な場所を求めてヨーロッパを去った。そして今日ヨーロッパにいる250万人のユダヤ人のうち三分の一が他国への移住を考えている。全ヨーロッパでユダヤ人が去って空になる、そしてその対応は十分になされていない、と警告を発した。

文書にされた声明でSandellは、欧州委員会が、もはや反ユダヤ主義をヨーロッパのユダヤ人の構造を脅かす特別な問題として認めず、単に他の形の民族主義と差別問題として言及しているように見えるのは明らかだと語った。ヨーロッパが2003年に反ユダヤ主義暴力の最後のピークに直面した時、EUの世論調査はイスラエルを世界の平和を脅かす最悪の脅威と呼んだ。Romano Prodi欧州委員会委員長は台頭する反ユダヤ主義に特別に取り組むために緊急サミットを招集した、と指摘した。

その批判的な意見にもかかわらず、ECIはヨーロッパの機構や組織と共に働くことに深く関与することにとどまっていることは、EUとその加盟国に反ユダヤ主義の脅威が完全に認識され、取り組まれていると確信させるものである。また共同社会の相互の対話と、男子の割礼と儀式的虐殺の禁止令を求めるような、ユダヤ人とイスラム教徒間で直面している共通の脅威においての提携の必要にも気づくが、しかしEUは次世代のために、ユダヤ人の生活をより安全で安心できるように一層の努力をする必要があると言及している。