2016年9月1日木曜日

2016年9月 月刊報告


幻が15年後に実現

この月間報告書をブリュッセルで1週間過ごした後、ヘルシンキに戻る飛行機で書き始めているが、9月に入ったことを気付かされた。

ECIがビジョンを掲げてから9月初頭で15年目にあたるが、最初提示された文書は、匿名であったにも関わらず、その2日後受け入れられた。フィンランドの首都ヘルシンキでそのビジョンは承認され、その15年後の2001年には南アフリカのダーバンで国際連合が人種主義、人種差別、外国人排斥および関連する不寛容に対する世界レベルの会議を組織化し、それに関連するイベントが開催された。国連の会議に平行して行われたNGO会議では、イスラエルは人種差別的国家であるとしたが、今日では新たなる反ユダヤ主義の出発点だったと多くの人々は認識している。いわゆる反人種主義と人権活動家と呼ばれている者らが「イスラエルに死を」と叫んだのがこの会議であり、その結果、イスラエル向けボイコット戦略が国際フォーラムで最初に提示された。その会議の3日後にあたる9月11日には、ニューヨークとワシントンDCでテロの攻撃にさらされ、それ以来、世界は大きく変化した。

この混迷する只中で、神様は「この時のために」新たに再び台頭する反ユダヤ主義に対してクリスチャンたちを立ち上がる助けとなるためにECIを立ち上げたと信じている。

このようないきさつで「ECI誕生」を覚えるにあたり、この15年間、祈りと協力と経済的支援によって、私たちと共に真摯に立ち上がったすべての人々に感謝することを思う。ビジョンが与えられてから15年目にあたり(公式的には2003年3月組織が発足した)、1930代ドイツで起こった反ユダヤ主義:ユダヤ人ビジネスをボイコットし、欧州からユダヤ人たちを締め出し、準国民とする反ユダヤ主義のスタートでもあった。今日においても、高まる欧州の反ユダヤ主義はユダヤ人の生活を脅かし、新たに割礼や食事規制禁止の法律が潜在的にあることは、もはやユダヤ人たちが欧州で生活できない環境ができつつある。それに加え、イスラエル産のユダヤ産品がボイコットにターゲットになっているのである。

しかし、この時こそ、イスラエルの友らはもはや受け身ではない。さらに次の15年間、この毎月のレポートで、さらに次の15年間、祈りと財政支援でECIと共に立ち、将来的にはより強く、より効果的に働く新たな展開を提示する。


シンガポールのクリスチャン、アジアにおけるECIの働きに興味を示す

【シンガポール】 8月中旬、ECI創設者トマス・サンデルとガル副会長は、5月に実りある海外派遣の後に、フォローアップ調査のためにシンガポールを訪れた。ちょうどその2週間前、我々のアンデレ顧問弁護士は、オーストラリアへ帰国途中、シンガポールに立ち寄り、弁護士らとクリスチャンのリーダーたちと共に、ECIの法的働きを提示するために会合し、彼らは国際法に基づく問題に大いなる関心を示した。

シンガポールは一世代で、第三国から経済的国家に転換した例外的な国を証している。その理由の一旦は、1965年以降、イスラエル国家と親しい協力関係にあることが、この経済的成長につながったといえよう。今日、イスラエルとシンガポールは、世界的にダイナミックに経済成長し、シンガポールのクリスチャンは、独自の文化変容を保有しつつ、イスラエルを強く支持している。

ECI、夏の余震とともにブリュッセルに戻り、秋への重要事項を明らかにする

【ブリュッセル】 イギリスのEU離脱という国民投票の驚くべき結果とテロリストの攻撃の新たなる波という印象的な夏の後、8月の最後の週に欧州議会のメンバーはブリュッセルに戻ってきた。8月31日(水)、ECIは、さらなるテロから市民を守るためにヨーロッパはイスラエルから何を学ぶことができるかを話し合うための秋に向けての最初のヨーロッパ・レポート(こちらをご覧ください)を記した。

オランダのBas Belder欧州議会議員は、EUが未だに昨今のテロ攻撃の背後にある過激派イスラム教徒の危険な役割を認めることを拒んでいることに、怒りを表明した。政治の指導者たちは、メディアを協力して精神疾患を患う市民権を奪われた若い移民者たちを描き出し、ヨーロッパに反ユダヤ主義と過激派イスラム教徒が深く根ざす隠されたヨーロッパの文化を認識することに失敗している。

一方、ECIは、パレスチナによるイスラエルでのテロにEUからの資金融資が継続して行われている問題に対して、4月の公式訪問の間に提出し、EUの欧州対外行動局(EEASはEUの外務省)との対話を継続させている。追跡要求への応答の中で、中東部門のディレクターがこのように書いている。「パレスチナ自治政府に供給されるEUの援助は、とりわけヨーロッパの基金が合意された目的のためだけに使用され、綿密に会計審査されていることを保証する厳正かつ継続した監視の下にある」。しかしながら、この声明は、数多くの理由でEUの管理と監督の不足を訴えている欧州議会予算管理委員会の報告と明らかに違う。

さらに、最新の中東カルテットからの情報によると、パレスチナによる暴力の扇動の問題が和平への明らかな障害となっていると強調されている。しかし、ブリュッセルの責任を持つべき当局は何も悪いことはなされていないと拒否している。

パレスチナ自治政府による暴力の扇動はさておき、ECIは、イスラエルに対するボイコット運動(BDS)に関する継続した闘いに的を絞っている。ECIはイスラエルに対するボイコットあるいはイスラエルを差別するいかなる試みにも明らかに批判の意を表明した欧州議会議長の事務所と定期的にコンタクトを取っている。しかし多くのEU官僚が、ヨーロッパの要求をイスラエルが飲むように説得する新たなるボイコットを承認するいくつかの加盟国のグループからの欧州委員会での圧力の高まりを報告している。

これらのグループは、いわゆるキリスト教系NGO団体が多く、人権、宗教そして国際法という言葉を捻じ曲げて、イスラエルを際的なのけ者にすることを求めるものだ。先月、ワールド・ビジョンという、国際的なクリスチャン慈善団体が数十億の予算をもって秘密裏にテロリスト組織ハマスに資金提供していたことが明らかになった。ECIは監視を継続していく。そしてもし必要とあらば、継続的にユダヤ人国家に対立し、イスラエルをののしり悪者扱いするこのようなクリスチャン団体を名指しで告発し恥させるつもりだ。


シャローム・フェスティバル、平和のメッセージをもってエディンバラ・フェスティバル・フィリンジに参入

【エディンバラ、スコットランド】 外交活動を通して政府レベルに影響を与えることと同様、イスラエル・ボイコット運動がイスラエルを圧迫し、その芸術や文化そして生産物までもヨーロッパから締め出そうとしているように、イスラエルの友人たちが、イスラエルを支持するためにヨーロッパの街の通りを埋め尽くす活動もまた必要不可欠なものだ。

これはまさに8月に、世界最大級の芸術祭、エジンバラ・フェスティバル・フリンジで起こった。ECI後援のスコットランドの親イスラエル団体が、スコットランドとイスラエル間に平和の架け橋を築こうとの試みでイスラエルの芸術、音楽そして文化を紹介するシャローム・フェスティバルを企画した。

もともとのベルギーでのシャローム・フェスティバルは、イスラエルのためのベルギー連合と我々のベルギー代表のルース・アイザック、そしてアントワープにあるコイノニア・ミニストリーから参加したルースの姉妹のEugenia Daskapoulous-Tarzilou によって最初に始まった。ユダヤ人団体と一緒に、中東での平和と共存のメッセージをもって、数年にわたりアントワープとブリュッセルでいくつもの文化的なイベントを開催してきた。それゆえ「シャローム(平和)・フェスティバル」と名付けられている。

ベルギーでの経験に励まされて、スコットランド系イスラエル人活動家、ニゲル・グッドリッチは、過去においてイスラエル人芸術家が参加を拒否されたエジンバラ・フェスティバル・フリンジで、現在この平和のコンセプトを紹介している。今年イスラエルは、シャローム・フェスティバルを通じて、イスラエル・ボイコット運動によって提示されたものとは違ったイスラエルを表して知名度を増した。イスラエルの友人たちがイスラエルの文化を会場の中で祝っていた時、反イスラエルのデモ参加者たちは大声で抗議していたが、それは会場の外側だった。

我々の友人で英国でのパートナーでもあるニゲル・グッドリッチに栄誉があるように。彼はこれらすべてを可能にした。

ECIの若き成人たち、各国の若い世代に届く

【ヘルシンキ、フィンランド】 EUとイスラエル間の将来の関係は次世代の手の中にある。2001年の事前の学びで、これは後にイスラエルのためのヨーロッパ連合の創設を導くことになるが、聖書的なイスラエルの支持者たちは、1948年のユダヤ人国家誕生の奇跡、1967年のエルサレム再統合、そして1973年のヨム・キプール戦争でのイスラエルの奇跡的な生存の直接の経験を持つ人たちだという傾向があることに気づいた。

今の時代に育った人たちは、イスラエルを「占領勢力」また「人権破壊者」として描く、偏見に満ちたメディアの報道によりイスラエル国家について全く異なった体験をもっている。真実からあまりにもかけ離れたものであるにしろ、こういった新しい世代がイスラエルおよび中東での紛争に関しての確かな事実と真実を教えられなければならない理由を表している。

ECIの若い成人たちのグループは(先月の記事をご覧ください)、このメッセージを若い世代に伝えいている。学びと成長の途上にある若い人々に届くことは極めて重要なことだ。オランダでは、我々の若いリーダーの一人が自分の大学で小さなプロジェクトを始めたが、それは、どのようにしてヨーロッパの大学のキャンパスに我々のメッセージを運ぶかの試験的な学びになると期待している。

別の若いリーダーの一人、Ina Litmaはこの秋、フィンランドの異なる主要都市でツアーを通してイスラエルについての事実を提示することにより、イスラエル・ボイコット運動の虚偽に反対する国際クリスチャン・エンバシー・エルサレムとフィンランドのクリスチャン民主党の青年部によって支援されたプロジェクトに関わる。これは今日の情報戦において先手をとるアプローチとして
良い例だ。反イスラエル憎しみのメッセージを携えて学生や若い人たちに反イスラエル主義のグループが手を伸ばしている事実に基づいて、小さいが明確に声をあげている。イスラエルと中東の平和を願う人たちがよりはっきりと明らかにされる時が来ている。違いを明らかにしてくれているECIの若い成人たちに感謝する!

今月の報告を終えるにあたり、若い方々および人生の経験を積まれた方々双方の、すべてのECIを支援してくださる皆さんに改めて感謝の意を表明したい。もし経済的にECIの働きを支援したいと思われた方は、ここから詳細をご覧ください

今後のイベント

2016年11月5日 於:ロンドン
第1回ECIロンドン総会

講演者: Tomas Sandell, Jacques Gauthier, Ruth Isaac, and more.
詳細は後ほど。